ネット上を中心に、世の中には「タワマン文学」と呼ばれるジャンルがあるらしい。タワマン住人の憎愛悲喜交々(ぞうあいひきこもごも)を描いたもののようだ。

清少納言にあやかって・・・
私も、広尾から豊洲のタワマンに引っ越してきて、3ヶ月ほどタワマン住人をやってみたので、「文学」ではないが、この間に感じたことを『枕草子』風に、タワマン生活の「いとをかし」と「いとわろし」としてまとめてみた。「にわか」ですけど(笑)

タワマン生活のココが「いとをかし」
まずは「タワマンに住んでよかった!」という「いとをかし」編から。
- 釣り場まで3分で行けて「いとをかし」(あんまり釣れないけど)
- ベランダで夜景を見ていても高層なので蚊に刺されないのが「いとをかし」(まだ夏を体験してないけど)
- 敷地内に深夜までやってるスーパーがあるのが「いとをかし」(太るので夜中に買い食いしないけど)
- 高層階にあるラウンジで夜景を見ながら晩飯&晩酌ができるのが「いとをかし」(日本酒はないけど)
- ジムでダイエットができて「いとをかし」(2回しか行ってないので全然痩せてないけど)
- パーティールームでパリピになれるのが「いとをかし」(2人でしか使ったことないけど)
- ビリヤードができるのが「いとをかし」(1人でやってるとすぐ飽きるけど)
- 卓球もできるのが「いとをかし」(1人じゃできないけど)
- ゲストルームで知人も安く宿泊できるのが「いとをかし」(全然、抽選で当たらないけど)
- ワーキングスペースで在宅勤務ができるのも「いとをかし」(会社に在宅勤務制度がないけど)
- コンシェルジュにワイシャツのクリーニングを出せるのが「いとをかし」(ビジネスカジュアルなんでワイシャツ着ないけど)
- キッチンのディスポーザーが便利なのも「いとをかし」(ほとんど料理しないけど)
- 平日昼間の共用スペースでユーチューバーの撮影現場に出会うのも「いとをかし」(無名ユーチューバーだと思うけど)

いとをかし!
タワマン生活のココが「いとわろし」
一方、「タワマンあるある」を含め、タワマンで日常生活を送るうえでの「いとわろし」編がこちら。
- エレベーターで自分より上の階のボタンが押されるたびに心がざわつくの「いとわろし」(賃貸住人ですらそうなので、いわんや分譲住人をや)
- 低層階用ほどエレベーター乗り場がマンションの入口から遠いの「いとわろし」(タワマンカーストその①)
- 郵便受けの場所も低層階用ほど入口から遠くにあるの「いとわろし」(タワマンカーストその②)
- 宅配ボックスまで階層順に遠いの「いとわろし」(タワマンカーストその③)
- 1階の宅配ボックスに入れられた重い荷物を自分で部屋まで運ぶの「いとわろし」(日本酒と書かれた段ボールとかエレベーター内で恥ずかしいし)
- 宅配便が1階に来てから部屋まで届くのに時間がかかるの「いとわろし」(20分待ったこともある)
- 傘を持たずに1階まで降りて雨が降ってたとき「いとわろし」(取りに戻ると往復10分のロス)
- アレやコレやと規則が多いの「いとわろし」(ウーバーなどのデリバリ業者の動線まで指定される)
- やたらと犬を飼ってる住民が多いの「いとわろし」(ペットアレルギーなもんで・・・)
- 共用スペースがほぼ子供の社交場と化しているの「いとわろし」(ソファーを占拠して皆でゲーム三昧)
- 夜景を見ながら静かに酒を飲むはずのラウンジで幼児が騒いでいるの「いとわろし」(一緒にいる母親は注意もしない)
- 同じフロアの住人どうしでも挨拶もしないの「いとわろし」(隣人ですらそうなのだ!)
- 宿泊用ゲストルームの抽選にほとんど当たらないの「いとわろし」(10回に1回程度しか当たってない)
- 所詮はマンションなので上階や隣室の物音が聞こえるの「いとわろし」(千葉の自宅では普段経験しないので)
- オフィス街みたいにビル風が強いの「いとわろし」(ここは丸の内か!)

いとわろし!
タワマン生活は現代の奇習?
「タワマン生活」と言っても、所詮は狭い土地に多くの人がひしめきながら暮らしている「垂直方向に積み上げられた長屋暮らし」みたいなものだ。
それを、ほとんど使わない豪華な共用施設と、「ステータス」という名で糊塗して誤魔化しながら、わざわざ地上100メートル超の「空中」に住むというのが、「タワマン生活」という現代の奇習なんだろう。
私のように平日の単身赴任の拠点として使い、昼間や週末は不在の住人は、タワマン内での人間関係など出来ようもないからいい。
しかし、子供の学校つながりや理事会などでシガラミができて、そこからタワマンカーストに組み込まれると、逃げ場のない空間での日常生活は苦痛でしかないだろう。少なくとも私は、ここで子供を育てたいとは思わない。

賃貸であれば嫌ならサッサと引越せば済むが、億の金を出して買ってしまうと、子供がイジメにあおうが、隣に変人がいようが、家族全員で我慢するしかない。だから、やっぱりタワマンは、買うものではなく、借りてひと時の夢を見る場所、なんだと私は思う。

会社の「社宅あるある」で、旦那の地位で奥さんの地位も決まる、という「社宅カースト」がある。社宅に住む課長の奥さんは、同じ社宅の部長の奥さんには逆らえない。「会社での旦那の地位」という基準が社宅全体を支配するのだ。
それと同じように、タワマンという空間を支配している唯一絶対のルールも極めてシンプルだ。
「高いところに住んでるヤツほどエライ。以上!」
仮住まいの賃借人のワシが言うのもなんやけど、「いとわろし」やね(笑)

タワマン生活はうたかたの夢?

