日本誕生の地?「沼島」に見るインバウンド問題の縮図とは? ~「インバウンド税」で食料品消費税をゼロに!?~

総帥の独り言

兵庫県南淡路市に「沼島(ぬしま)」という離島がある。淡路島の南東に位置し、人口わずか400人程度、周囲10km弱の小さな島だ。しかし、この小島は、あることで有名なのである。

紀淡海峡に浮かぶ小島「沼島」

「国生み伝説」と沼島

「古事記」「日本書紀」に登場する「おのころ島」神話。イザナギの命(みこと)とイザナミの命が、天界にある矛の先から落ちる潮で作った島で、その島を拠点に日本の国土を造っていった、という「伝説の島」である。

この日本発祥の地「おのころ島」の候補地は、日本各地に数多く存在するが、沼島はその中でも「聖地・おのころ島」の最有力候補地だとされているそうだ。(「最有力」の根拠は分かりません! そもそもが神話だし・・・)

これが「国生み神話」だ!

なので、島の玄関口にあたる船着場の待合所にも、「国生み神話」や「神々の系図」のポスター、さらに「おのころ島」を二神が造る絵などが普通に貼られている。

神々にも家系図があった!

もう一つ有名なのは「アジ」

さらに、沼島が有名なもう一つの理由は、魚の鯵(アジ)である。

沼島周辺では、竿を使わず手釣りの「一本釣り」でアジを漁獲している。それを築地などに直接出荷し、東京湾の「黄金アジ」のように、「ぬしま鯵」としてブランド化しているのだ。

ぬしま鯵は金色に輝く?

沼島のアジは、かつて「キアジ」という名で商標登録もされていたそうで、昔から「沼島のアジは旨い!」と評判が高かったのだ。

洲本から沼島へ

いつもの釣り旅行では、淡路島の洲本までしか行かない私が、今回初めて、ある理由から沼島を訪れてみた。

今年もGWに淡路島の洲本港に釣りに行ってきた
「あわかん」では確かにアジが釣れたが、連休などの繁忙期には値段もかなりお高いし、そもそも一人客は予約が取れない。仕方ないので「あわかん」からほど近い洲本港でアジを狙う。 その洲本港の真ん前にあるリーズナブルな宿で、ゴールデンウィークやシルバ...

沼島に渡る定期船が出ている土生(はぶ)港まで、洲本からコミュニティバスが出ていることを発見したので、洲本の定宿から沼島までバスで行くことにした。

洲本からバスと船で沼島へ

10席ほどしかないマイクロバスで、満員になると乗せてもらえないこともあるそうなので、早めにバス停で待つ。

一番乗りでバス停に

地元の人たちの日常生活のためのコミュニティバスだと想像していたが、私を含めた乗客6人は全員観光客だった。

海沿いの道を小型バスで走る

ほとんどが淡路島東岸の海沿いの道を走るのだが、途中で険しい山道のワインディングロードも通る。停留所が20カ所ほどあるが、途中で乗り降りする人はほぼおらず、1時間ほどで終点の「沼島汽船場前」に到着した。往路は、昼間の明るい日差しの下で景色を楽しみながら観光気分だ。

車窓から沼島が見えてきた!

ちなみに夜の復路便では、乗客は私一人しかおらず、貸し切りで暗い道を洲本まで運んでもらった。これで500円ではとてもペイしないだろうと、たいへん恐縮した。

帰りは私の専用バス?に

船で沼島に初上陸!

バスを降りて目の前にある土生港から定期船「しまちどり」に乗り換え、沼島港まで約10分のショートクルーズを楽しむ。乗っている時間はあっという間だが、1日に10便のみで2時間に1本ぐらいしか出ないので、乗り遅れると大変だ。

バス停のすぐ前に乗船場が

船の乗客は30人ほどで、地元の人と観光客が半々といったところか。沼島港に到着して、まず船着場の待合室の掲示物を読んで、島の全体像を把握する。

いよいよ沼島に初上陸!

ここで、島に公衆トイレは3カ所しかなく、ゴミ箱もない。当然、コンビニもなければ、釣り餌屋もない、ということを認識する。

一応、アジを釣るのが目的の一つでもあるので、港を探索しながら釣り場を探す。その途中で「沼島八幡宮」へお参りする。

沼島八幡宮にご挨拶を

メインストリート?の港周辺では、老夫婦や小規模ツアー客が島内を観光している。たまたまかもしれないが、外人は一人も見かけなかった。ここはまだ、インバウンドの激流に侵されていないのだろうか?

住民の反応は・・・

たくさんの釣り具を担ぎ、一目で「ヨソ者」と分かる風貌で歩いている私とすれ違う時、地元の奥さんたちが会釈してくれる。それも一人だけじゃなく、何人も。また、おじいちゃんが自宅の塀越しに顔を出して、釣り場を教えてくれる。皆さんとても親切で、驚く。

一方、釣り場に選んだ漁港の漁師さんたちは不愛想だった。こちらから話しかけても、つっけんどんな反応しかない。自分達の仕事場である漁港をヨソ者が邪魔しているのだから、当然の反応かもしれない。あるいは、その日はたまたま不漁で機嫌が悪かっただけなのだろうか?

沼島の漁港でたっぷり釣りを

表面上は愛想のいい人たちも含めて、地元住民の表情は、どこか複雑であると私には感じられた。島へやってくる「ヨソ者たち」を、歓迎しつつも迷惑がっている。そんな心の葛藤が表情に現れているように思えた。その理由を私なりに解釈してみた。

行政と住民との温度差

南あわじ市を始めとした「行政」は、沼島を観光地として様々な角度からアピールして、観光客の招致に積極的だ。数少ない島内の観光スポットへの標識を道に立てて誘導したり、PR誌を掲示したり、涙ぐましい努力をしている。

島のあちこちに観光案内版が

一方、住民は必ずしも観光客に対し、ウエルカムでもない様子だ。自分の家の前を、日本人同士とはいえ「ヨソ者」が物見遊山で毎日歩いているのだから、当然、気分のいいものではないだろう。観光客向けの店もほとんどないから、たいしたカネを落としていくわけでもないし。

自分の家の前を観光客が歩いていたら・・・

もし私の千葉の自宅の前を、東京から来た団体客がザワザワ歩きながら、「やっぱり田舎はノドカでいいな~」などとほざいていたら、「とっとと帰れ!」と言いたくなるだろう。それと同じことが、沼島では日常的に実際に起こっているのだ。

この沼島の構造を、日本全国に拡大すれば、昨今のインバウンド問題と同じ構造になる。

写真はイメージです

沼島は日本全体のインバウンド問題の縮図

日本政府はインバウンドを強力に推進し、「観光」を有力なビジネスにしようと躍起で、世界遺産登録をはじめ、各地の観光地アピールに余念がない。

一方、日本各地の地元住民からすれば、直接の恩恵を受ける商売人を除けば、単に地元を荒らす「迷惑なガイジン」ということになる。

あくまでAIが作成したイメージ画像です

地元が有名になればなるほど大勢の人が世界中から押し寄せ、交通渋滞に騒音やゴミ問題、そして物価高などなどで、自分たちの平和な日常生活を脅かす存在と化す。

飲食店や宿泊業、入場料を徴収できる観光施設、そして間接的にそこからの税収が増える国や自治体。インバウンドで潤うこれらの存在の影で、1円の得にもならず迷惑だけ被っているたくさんの善良な日本国民がいる。そういう人たちにもインバウンドの恩恵が行き渡る仕組み作りができれば、日本全体で心の底から外人観光客を歓迎できるようになるのではないか?

こちらもAIさん作成です

外人への課税で日本人の税金を減らせないか?

例えば、日本に入国する外人に入国税を課したり、外人向けには日本国内での価格を高く設定するなどして税収を増やす。それを財源に日本人全体の税金を下げて、インバウンドの恩恵を国民みんなが受けられるような仕組みにできないものだろうか?

現状の日本では、「国際観光旅行税」という形で、日本から出国する人は(日本人も含め)、全員から一律3,000円(2026年7月1日に従来の1,000円から引き上げられた)が航空券や船舶のチケット代に自動的に上乗せされて徴収されている。いわゆる「出国税」に相当するものだ。

これについては、なぜ日本人も課税対象にするのか?とか、「出国税」ではなく「入国税」にナゼしないのか?といった疑問がすぐに湧く。それは、徴収のしやすさや、「租税条約」によって「国籍を理由に不利益な差別的課税をしてはいけない」という「無差別原則」なるものがあるからだそうだ。だから、観光施設の入場料なども、「外人だけ高い割増料金を適用する」というのはダメなのだ。(知らんかった!)

そこで苦肉の策として、「通常料金」そのものを外人向けの高い料金に引き上げ、逆に日本人に対してはそこから割引する、という「課税」ではなく「減税」方式にすればよいのではないか、ということになる。

マイナンバーカードを使った解決法

では、割引を受けるために、日本人であることをどうやって簡単に証明するか? 支払いの都度、いちいち免許証などの身分証を提示し、偽造じゃないかも含め短時間で確認するのは至難の業である。そこでいい案を思いついた。ICチップが最初から内蔵されている「マイナンバーカード」を使うのだ。

日本国内で支払いをする人は、マイナンバーカードを読取り端末にかざせば、日本人向け割引価格が適用されるが、カードを持たない人は正規の割高な価格を支払う、という仕組みにする。現状の、「税込価格」と「税抜き価格」の二重表示のようなイメージで、「(外人向けの)通常価格」と「(日本人向けの)割引価格」の二重表示にするのだ。

そうなれば、割引価格が適用されるように全ての日本人がマイナンバーカードを携帯するようになるだろうから、マイナンバーカードの普及率もあっという間に100%になり、普及に苦心している政府にとっても一石二鳥だと思うのだが?

税金の使途問題についても

さらに、徴収した「税金」の使途について。

現状の「出国税」の使途は、観光インフラの整備、快適な旅行環境の実現、日本の魅力発信などで、主にさらなるインバウンドを促進するために当てられており、一般の国民には直接の恩恵はない。むしろ、さらにインバウンドが促進されれば、ますます自分たちの生活が脅かされかねない。これでは外人観光客への歓迎の気持ちなど生じようもない。

そこで、徴収した「税金」は、全国民に広くあまねく恩恵が行きわたるような使途に限定する。例えば、今も揉めている「食料品の消費税引下げ問題」。財源がないと騒ぐのであれば、この「インバウンド税」?を導入して、それを財源に恒久的に食品の消費税分を賄えばどうか?

そうすれば日本人全員が、食料品を買うたびに、「外人さんありがとう!おかげで今日も食料が安く買えるよ!ぜひまた日本に来てね!」と感謝するのではないか。

一石二鳥にも三鳥にもなるこのアイデア、自民党でも野党でもいいから、次の選挙で公約に掲げてはいかが? アイデア料はいらないので(笑)

インバウンド税?の導入を!

果たして釣果は?

さて、「沼島」の話がいつのまにやら「マイナンバーカード」や「インバウンド税」の話」になり、ずいぶん話がそれたが、今回、私が沼島を訪れた目的の一つは、「ぬしま鯵を釣るため」だ。なので、昼前に島に到着し、夕方の船で戻るまでの半日間、沼島の漁港でたっぷり釣りをした。

カワハギが釣れた!

釣り人が少なく魚もスレていないのか、投げれば毎回アタる、という入れ食い状態を楽しんだ。魚種も豊富で、洲本で定番のチャーリー、ベリー、フギーに加え、キスやカワハギなども釣れた。(魚の名前の意味が分からない人は、この記事を読んでください)

引退後に備え「島」に籠って「1週間釣りだけ生活」を実験してみた【後編】
前回のあらすじはこちら↓ 5日目。暴風雨の中で思う 今日は午後から暴風雨になる予報なので、実質、半日勝負だ。 朝マヅメの1投目から出会いがしらに大きめの「ガシラ」(関東名はカサゴ)が掛かった。 しかしその後は、低気圧が近づいているせいか、魚...

そして、最大のターゲットである「アジ」の釣果だが、なんと! なんと!!・・・

「ここで一旦CMです」(「ゴチになります!」の羽鳥アナ風に)

ここで一旦CMです

肝心のアジは??

【CMが明けて】 さてアジの釣果は、なんと! なんと!! なんと!!!

一匹も釣れませんでした・・・

やはり沼島からさらに船で沖に出ないと「ぬしま鯵」は釣れないようだ。それでも帰り道で地元のおじいちゃんが「夜になれば漁港でもアジが釣れるよ」と教えてくれた。しかし、今回の私は最終の船で洲本に帰らねばならない。

なので、次回は必ず泊りがけで来て、旨い沼島のアジを釣るぞ! そして、ちゃんと宿泊税も払って地元に貢献するぞ!(笑)

旨い沼島のアジを食べたい・・・

 

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