「ゆでタマゴ」の作り方すら分からない!? オレはいったい何を知っているというのだろう? 還暦にして「無知の知」を悟る

思索

ある日、単身赴任先の部屋の冷蔵庫を開けると、生タマゴが二つ残っていた。タマゴに貼られているシールを見ると、賞味期限はきのうだった。

写真はイメージです

「これは捨てなきゃダメか・・・」と思ったが、「消費期限」じゃなく「賞味期限」だから一日ぐらい過ぎても大丈夫かな?と思い直した。でも、さすがに生で食べる勇気はないな。

じゃあ、どうする? 「どうする??」(「タクシーGO」のCM風に)

残された選択肢は「ゆでタマゴ」のみ!

単身赴任を十数年やっていても、ほぼ外食と会食ばかりなので、自炊は全くできない。魚を捌いて刺身で食べる以外は。

なので、タマゴを使った本格的な料理など思いもつかないが、目玉焼きぐらいなら、フライパンにタマゴを割って焼くだけだから、きっとオレにもできるだろう。

スクランブルエッグは少し難易度が上がりそうだが、基本構造は目玉焼きと同じだろうから、できなくはなさそうだ。

だが、待てよ、そもそもフライパンに引く油がないな・・・

それなら、油すら使わない「ゆでタマゴ」だ!とヒラめいた。

だけど僕には「油」がない・・・

いざ、ゆでタマゴを作ろうとすると・・・

しかし、実際にゆでタマゴを作りにかかると、いろいろなハードルが次々と立ちはだかってくる。

まず、何で茹でるか? 普通にやれば鍋か? いや、電気ケトルに放り込めば、お湯を沸かす手間が省けるし、もっと簡単かな? さらにお手軽に、電子レンジではダメなんだろうか?

でも電気ケトルだと、お湯が沸騰してスイッチが切れた後、冷めていくお湯の温度でタマゴはちゃんと茹でられるのだろうか? そもそも、ゆでタマゴを作るには、何度のお湯で、何分茹でなきゃいけないんだ??

電子レンジでゆで卵?

分からないことだらけである。仕方ないのでジェミニに聞いてみる。

まず、電子レンジに生タマゴを入れると、途中で爆発するかもしれないのでNG!とのこと。あぶない、あぶない・・・

お湯で茹でる時間は、半熟か固ゆでか、好みの仕上がりによって違うそうだ。1分単位で出来上がりの硬さも違ってくるみたいなので、けっこう緻密な作業のようだ。

私は「やや硬めの半熟」という中途半端な選択をしたので、茹で時間は8分だそうだ。

沸騰しているお湯の中で8分間なので、やはり「電気ケトル」という選択肢は消えた。

やはりケトルでは無理だった

鍋でやってみたが・・・

振り出しに戻って、王道の?「鍋」でやってみることにする。

まず、タマゴがすっぽり浸かるぐらいの水を鍋に入れてアゲる。そしてお湯が沸騰したら、タマゴをスプーンに載せてアゲて、そっとお湯の中に入れてアゲる。そこからスマホのタイマーで8分を計ってアゲる

(この鬱陶しい「アゲる話法」の意味が分からない方は、コチラの記事をどうぞ↓)

「してアゲる」のはいったい誰に?何を?「その魚はもう死んでいる!」 〜「現代用語の基礎体温」シリーズスタート!
釣り具を擬人化するオッサン 「オモリが底に着いたらベイルを返してアゲる。次に糸がピンと張るように少し巻いてアゲる。それから竿を50cmぐらい上下に揺らしてアゲてください」 テレビの釣り番組などを見ていても、やたらと「してアゲる」話法を耳にす...

茹で始めるとやることがなくなり、じっとタマゴを睨みつけて見張りをしている。手持無沙汰の8分は結構長いもんだ。

すると、3分ぐらいたったころ、二つのタマゴのうちの一つに真ん中でヒビが入った。そしてそこから白身が滲みだしてきて、お湯の中にメレンゲのような白い塊ができていく。これはジェミニは教えてくれなかった想定外の非常事態だ!

あとでジェミニにきいたら、冷蔵庫から出してすぐ熱湯に入れると割れやすいので、タマゴを常温に戻してから入れる、というのが正しいやり方だそうだ。う~む、奥深い。

実に奥深い「ゆで卵」の世界

茹ではしたものの・・・

8分経って、なんとかタマゴの出血?も止まったので、火を止める。

すると今度は、そのあとどうすればいいのかがまた分からない。ジェミニは茹でるところまでしか教えてくれなかったので。

このままずっとアツアツのお湯の中に入れていたら、せっかく厳密に8分計ったのに、アディショナルタイムになってしまう。

そこで、再びスプーンでタマゴをすくって、とりあえず熱湯から出す。そのまま自然に冷ますべきなのか、冷水で急速冷却していいものか、またジェミニに聞くのも面倒になってきたし、自然に冷めるのを待ってられないので、一気に水に漬けて冷やしてみた。ヒビから水がタマゴの中に侵入しないかと心配しながら・・・

水で一気に冷やす(イメージ)

いざ、実食!

ようやくタマゴが冷えて、手で触っても大丈夫な温度になったので、恐るおそる殻を割ってみる。

すると、ちゃんと白身は固まっている! ヒビが入った方のタマゴもダメージは小さく、食べるには全く問題なさそうだ。

写真はイメージです

次は肝心の黄身はどうなっているか? 白身の上から塩を振りかけ、少しかじってみる。

できてる! 想像していたトロ~リとした半熟ではなく、かなり固まった半熟?だったが、固ゆでまでは行ってないので、許容範囲だろう。「初めて作ったゆでタマゴ」にしては上出来だ!

写真はあくまでイメージです

それにしても、自分で作ったゆでタマゴはこんなにもウマいとは! そして、「たかがゆでタマゴ」がこんなにも奥深いとは! 60年生きてきて初めて知った。

これまで、相場や教育・人生などについて、このブログで散々エラそうに語ってきたが、ゆでタマゴの作り方一つ知らなかったのだ。

「自分が何も知らないということだけを私は知っている」というソクラテスの「無知の知」「不知の自覚」を実践したということか?

これでまたひとつ、賢くなったカモ??

ゆで卵でソクラテスに?

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