前回、「豊洲ぐるり公園」で思わぬ大物をいきなり釣ってしまったが、やはり私の主戦場である「東電堀」で何かを釣らねばならぬ。そこで後日、ホームグランドの東電掘で夕マヅメにリベンジしに行った。

リベンジ1回目(中潮の夕マズメ)
東電掘にもチヌ(黒鯛)がいることは実地調査で確認済だし、実際に「ぐるり公園」では自分でも釣った。なので、普段やらない「チヌを想定した釣り方」でやってみた。

ヘチ釣りでチヌを狙う
いわゆる「ヘチ釣り」というやつで、仕掛けを投げて遠くに飛ばすのではなく、岸壁のヘチ(縁)にそのまま仕掛けを落とすだけ。
それもできるだけ岸壁近くに落とし、壁際に生息しているチヌの目の前にユラユラとエサを落とす。そして着底したら少し上下に揺らしてみる。できるだけ、自然にエサが落ちてきたかのように。
岸壁を糸でこするように釣るこの独特のスタイルから、関西では「コスリ釣り」とも呼ばれる。道具も短いロッドに太鼓リールを付け、エサも貝とかカニを使う。

ヘチ釣り仕様のタックル
私の仕掛けはいつものアジング仕様で、エサも擬餌餌のワームなので、全然チヌ仕様ではないが、それでも「ぐるり公園」ではなぜかチヌが釣れた。なので、東電掘でも「ヘチ釣り」の要領で足元に落とし込んでみた。

2~3回やっていると、突然、ガツン!と根掛かりしたような抵抗があった。そして、グッと糸が引き込まれた。
魚が掛かった!? しかもかなりの大きさだ。あわてて糸を巻いて応戦したら、プツン!とあっけなくラインブレイク・・・

バトルをする間もなく、圧倒的なパワーで瞬時にもっていかれてしまった。アジング用仕掛けなので、大物が掛かるとひとたまりもないのだが、あの強烈な引きはエイでも掛かったのか?それとも・・?
リベンジ2回目(長潮の夕マズメ)
豊洲で生き餌は手に入らないものと諦めていたが、週末になると、近所の豊洲公園に「キッチンカー」ならぬ「釣り具屋カー」が登場し、そこで生き餌も買えることを知った。早速、週末も豊洲に残って、前回チヌを釣った「青イソメ」を購入しに行った。

豊洲公園の「釣り具屋カー」?
店長に「東電掘ではこの時期は何が釣れるの?」と聞いてみると、なんと先々週、カレイが揚がったそうだ! それを聞いて俄然テンションが上がり、青イソメを持って意気揚々と再び東電掘へと向かった。

豊洲にカレイがいる?
今回は擬似餌でなく生き餌なので、ヘチ釣りではなく、いつものチョイ投げでやってみる。
陽があるうちは、生き餌でやってもいつものごとくアタリすらないが、陽が完全に沈み、タワマンの明かりが増えてきたころ、チョンチョン、と微かなアタリが来た!
慌てずそのまま20秒ほどじっとして、魚が警戒心を解くのを待つ。すると再び小さなアタリがきたので今度はアワせる!
が、乗らず・・・ エサも食われてないので、まだ様子見でつついただけか?
すぐさま同じ場所に投げ込み、気配を消してじっと待つ。が、何も起こらないので、少しシャクって1mほど手前に引いて再びじっと待つ。
すると、ツンツン、という小さなアタリの後に、今度はガツン!というアタリが来た!
すかさず竿を大きくアオる。
掛かった!すると糸が左右に激しく走り出す。手応えも小魚のものではない。必死で小魚仕様の小さなリールを巻く。
まだまだ相手は水中なので正体は分からないが、フッキングは良かったようで、ハリがはずれる心配はなさそうだ。なので安心して力強く巻き続け、徐々に魚体が浮き上がってきた。その時、急にコンコンコン!と3回ほど潜り込むような強い引きで最後の抵抗が始まった。この、鯛に特有の引き方を見て確信した。
「まちがいない。掛かっているのはヤツ(チヌ)だ!」
そう思った瞬間、またもや糸がプツン!と切れてしまった・・・

結局、最後まで敵の姿は見れなかったが、あの引き方は間違いなくチヌであったと確信した。
「リベンジ1回目」では格闘する間もなく糸が切れたので、正体は分からず仕舞いだったが、今回は1分ほどバトルを楽しみ、最後にタイ類特有の引き込みも確認したので、チヌであるのは間違いない。
相手がチヌだとすると、まだタモがなく、小魚仕様のタックルでどう闘うか? 部屋に戻って、また風呂に入りながら考えた。

今日のバトルではドラグを締め過ぎていて、力任せに巻いてチヌと綱引きになると、アジング用の細いラインではもたないことが分かった。なので次回は、ドラグをもっと緩めて、フッキングだけしっかりしたら、あとは魚の力に逆らわず、まずは自由に走らせよう。そして、敵が体力を消耗するのを待って、時間を掛けてじっくり引き寄せよう、と作戦を練った。
リベンジ3回目(若潮の朝マズメ)
まだ昨夜のバトルの余韻も冷めやらぬなか、翌朝の4時に起きて日の出前から朝マズメ狙いで、出勤前の短期決戦に挑む。
夜明け前の薄暗がりのなか、まるで湖のように水面は穏やかで、さざ波ひとつない。綺麗だが、逆に魚の生命反応も感じられない。

穏やかな表情の夜明けの東電掘
今回は最初からチヌを「仮想敵国」として想定した戦闘態勢で臨む。昨夜の反省を踏まえ、ドラグはかなり緩めにして、昨夜かけたポイントの周辺をじっくり攻める。
青イソメを付けたジグヘッドを底まで落とし、ゆっくりと、時々ピタッと止めたりしながら、寝起きの?ヤツの食い気を誘うように引いてくる。
そんなことを1時間ほど続け、すっかり陽も登って明るくなってきたころ、かすかに水面がザワついている場所があったので、そこを目がけて投げてみた。
すると、エサが着水するのとほぼ同時に何かがエサを引ったくった。そして、そのまま水中深く潜っていこうとする。
いつもの底を這わせるのとは違うパターンで不意を突かれたが、とっさに竿をシャクって合わせる。
掛かった!! 昨夜に続き2度目のヒットだ!しかも、引きの強さから昨夜と同じ「ヤツ」にまちがいない。

ついに東電掘でチヌが掛かった!
ならば、今日は作戦通り、力ずくではなく、まずはヤツの好きなように泳がそう。
緩めたドラグがジリジリと音を立てながら糸が出て行く。ヤツは左右に自由に動き回る。だが、少しずつドラグを締めて、ヤツの行動範囲を狭めていく。そしてヤツがバテて一息つくスキを狙って一気に巻く。これを繰り返しながら徐々に岸に引き寄せてくる。

水面で暴れるチヌ!
そいてついに、魚体を岸の壁にタッチさせた。
ここでこの闘いは終了! これで私の勝利である!? なぜなら、相変わらずタモを持っていない私には、これ以上やるべきことはないので。この高い岸壁をタモなしで抜き上げることなどできない。よって、新ルール(いつ出来たルールだ?)「魚を壁にタッチさせたら釣れたものとみなす」に従い、ここでゴングとなり、いつものように糸を切って、戦友?を家族の待つ場所へ帰してやった。
「キャッチ・アンド・リリース」をさらに進化させた?「タッチ・アンド・リリース」という新しい釣りのスタイルの誕生だ(笑)

岸壁にタッチして試合終了!
こうして3度目にして、ついに「東電掘リベンジ」にも成功?した。これで、豊洲ぐるり公園と東電掘の両方で、大物のチヌを掛けることができた(釣りあげた、とは言えない・・・)。
この間のバトルは、まるでヘミングウェイの『老人と海』の豊洲版ともいえる死闘であった!?(笑)同じ3日間のバトルだし。カジキじゃなくチヌだけど・・・
そして、「小魚から始まり、徐々に大きな魚を釣って、最後にチヌを釣る!」という「豊洲わらしべ長者プロジェクト」?は早くも完結してしまった。

幻に終わった「わらしべ長者プロジェクト」
人生初のチヌをこんなにも早く、しかも2匹も釣れて、メチャクチャうれしいし、豊洲に引っ越してきた甲斐があったというものだ。
逆に、豊洲にはチヌしかおらんのか~い!?(笑)
ならば、豊洲ではこれからもずっとチヌを相手にすることになるなら、いいかげんタモを買うか?

これさえあれば次は・・・
いかんいかん、もう出勤する時間だ!
(続く、かも?)

スーツに着替えて・・・

