3月27日に為替相場(ドル円相場)が151円97銭をつけ、90年7月以来34円ぶりの円安になったようだ。つい先月、日経平均が34年ぶりの史上最高値を更新して程なくして、今度は為替が歴史的な水準になった。これは偶然か?
普通に考えれば、円安で輸出企業を中心に業績が好調になり、それを見込んで株価が上がる、というのが一昔前の為替と株の関係だろう。しかし今は、円安による輸入物価の上昇でマイナスの側面も大きく、一概に円安=企業業績の改善とは言えなくなっている。
一方、円安、すなわち自国通貨が安くなる、ということは相対的な国力の低下も意味する。かつて、高度成長やバブル景気を経て、世界における日本の競争力・存在力が高まるにつれ円は強くなり、2011年10月に75円32銭の最高値を付けた。株のピークが89年12月だから、その約22年後に為替はピークを付けたことになる。
偶然かもしれないが、日本の人口のピークは2008年である。その後、数年間高止まりして、奇しくも円が最高値を付けた2011年以降は今日まで減少が続いている。そして現在の出生数から計算すると、これからも人口の減少が止まらないのは確実である。
国民の数は労働力の大きさであり、有事には兵力の規模でもあるので、人口の多寡は国力を表す大きな要素だ。とすると、人口が減少し続ける日本の「円」は、今後も円安の一途をたどり、1ドル200円、300円が当たり前の世界になるのか・・・?