今年も卒業式のシーズンがやってきた。
これまでご紹介した「誕プレ」や「クリスマスプレゼント」のほかに、「卒業」に関しても、私には独自のルールがあったので、今回はそれをご紹介する。


無事、大学に合格し、息子は高校を卒業した。すると我が家では、「パパと一緒の卒業旅行」という恒例イベントが待っている。
小学校から大学まで、学校を卒業するたびに、節目として私と一緒に卒業旅行に行く、というのが決まりだった。
人生初体験がテンコ盛りの卒業旅行
小学校を卒業したときは、二人で石垣島に行った。もちろん息子は初めての石垣島だ。そこで、石垣島の定番コースを一通り全部体験させた。
川平湾のグラスボートに乗ったり、水牛車に乗って由布島に渡ったり、船で西表島のマングローブクルーズをしたり、八重山舞踊を見ながら石垣牛のステーキを食べたりした。

水牛に乗って由布島へ
彼にとってはどれも人生初の経験ばかりだったので、脳細胞を刺激しまくりだったはずだ。
そして、中学卒業の時は、山口県の秋芳洞や萩から安芸の宮島へ。高校卒業時は、熱海の沖合にある初島のエクシブリゾートで過ごした。そして「パパと一緒の卒業旅行」の最後となる大学の卒業旅行では、倉敷から山陰の鳥取・島根、そして京都の舞鶴を3日間かけてツアーで回った。

出雲大社にも寄った
こうして4回の「卒業旅行」で日本のあちこちを巡り、いろんな土地の名所や名物に直接触れることで子供の脳細胞を刺激する、という目的のほかにも、この「卒業旅行」には私なりの目的があった。
「決めたらやる。以上!」の実践
小中学生の頃は旅行に行けて無邪気に喜んでいた息子も、高校、そして大学と思春期を迎えるにつれ、当然、父親との旅行などウザくなるに決まっている。それでも「これが我が家のルールである!」ということで、シブる息子を半ば強引に連れて行った。一度決めたルールは守らねばならない、ということを教えるために。

観光だけでなく人生を教える機会
また、普段は二人きりで長い時間を過ごす機会はほとんどないが、この旅行期間中には二人でいろんな話をした。昼間は観光で忙しく、ゆっくり話す時間もないが、夜にホテルで二人きりになると、自然といろいろ話すことになる。
大学卒業の時は、雪がちらつく宿の温泉につかりながら、これから社会に出て行く不安を口にする息子に対し、私自身の経験も踏まえて心構えを聞かせた。

「おまえは中学・高校・大学と、一般的な世間とは隔離された同質の世界で生きてきた。周りも自分と同じレベルなので、そこは居心地が良かったはずだ」
「しかし社会に出ると、また小学校の時のように、自分とは異質な存在も混じった世間の平均値の中で生きていくことになる。だから、最初はとても居心地が悪く感じるだろう」
「その中で、自分の本当の力、特質、立ち位置、といったものを見つけていくのだ。そして、その特長を時間をかけて強化していけばいい」
「だから、若いうちからあれこれ小手先のテクニックなど弄さず、ど真ん中に直球を投げ込んでいけばいい」
「それで打たれたら、自分の力量がまだ足りないということだから、また球威を磨けばよい」

理解したのかどうか、息子は私の言葉をじっと聞いていた。今年も3月25日が東大の卒業式だそうだが、そのニュースを聞くたび、あの温泉での情景を思い出す。
果たして息子が今、どれだけのことを覚えているか定かではないが、彼の大脳の奥底には、幼少期のいろいろな体験と、オヤジの言葉が刻まれている、と信じたい。


