赤ん坊のころは「桃太郎」で喜んでいた息子も、幼稚園に入るころには既に童話では満足しなくなっていた。そこで次に私がやったのは、「日経新聞の読み聞かせ」だ。

日経新聞の読み聞かせで幼稚園児が「%」を読めるように
平日の夜や休日に、仕事柄、私の必読書?である「日経新聞」を読む時に、アグラをかいた私のヒザに息子を座らせ、その目の前に新聞を広げて音読をした。

ヒザに子供を乗せて日経を
大人が読んでも難解な日経新聞の内容など、当然、幼稚園児に理解できるはずもない。しかしそこは、
「子供のレベルに迎合せず、常に先を行く」
という私の唯一の教育方針?に従い、例のごとく、息子が理解していないことなどお構いなしに聞かせていた。
そのおかげで?息子は幼稚園児の時には、「%」が読めるようになっていた。経済紙である日経にはやたらと「%」が出て来るので、それを見つけるたびに、息子は「パーセント!」と指さしながら叫んでいた。

「%」が多い?日経新聞
幼稚園児が「%」を読めるなんてスゴイぞ!と思った私は、正月に一家で実家に帰省した際、親族一同が集まっている食事時に自慢しようとした。
食卓の上のビール缶を手に取り、そこに書かれているアルコール度数を示す「6%」の文字を指さしながら息子に聞いた。
「これは何かな?」
すると息子が元気よく答えた。
「ビール!」

「これは何かな?」
会社四季報でも・・・
これまた私の仕事柄、バイブルであった「会社四季報」も息子に見せていた。「会社四季報」とは、東洋経済新報社が3か月に1回発行している、全上場企業の情報がコンパクトにまとめられた辞書のように分厚い雑誌だ。

株式投資家のバイブル?「会社四季報」
文字の部分は細かくて、内容も日経よりさらに専門的だから、子供はもちろんチンプンカンプンである。ただ、各ページの上部にあるチャート(株価のグラフ)は、視覚的にわかりやすい。なので、私が息子に教えたのは、
「このグラフが右上がりになっているのは『イイ会社』。反対に、右下がりになっているのは『ダメな会社』なんだよ」
という一点だけだ。
そしてページをランダムに開いては、
「この会社はどうかな?」と息子に聞く。
すると息子が「いい会社!」
私「じゃあ、これは?」
息子「これはダメな会社!」

チャートだけで「イイ会社」と「ダメな会社」を
こうして息子は、意味も分からず「会社四季報」で幼稚園児のころから遊んでいた。
ある意味、「投資家」としての超英才教育ではあると思うが(笑)
この時の教育のおかげで?のちに息子は、私と同じ金融の道へと進んだ。
実際に日経新聞の読み聞かせで、5歳児が!?
実は、私のこの「日経新聞読み聞かせ教育法」?を、私以外にも実践した例がある。
この話を聞いていた私の元部下が、自分の子供に実際に試してみたそうだ。自分が日経新聞を読むときは、必ず子供をヒザに乗せて読み聞かせる、というのをずっと続けていたらしい。
すると、5歳になったその子供が、ある朝、
「パパ、大変だよ!日産とホンダがくっついちゃうよ!」
と日経新聞を持って駆け寄ってきたそうだ。
父親である私の元部下は、ビックリ仰天! 日産とホンダの合併も驚きだが、何より、5歳児が日経新聞を自分で読んで、さらにその内容を正しく理解していることにとても驚いた。そして、嬉しかったそうだ。自分がやってきたことの成果が実証されたのだから。
そして、元部下からその話を聞いた私も、とても驚いた。5歳で日経新聞を読んで、内容まで理解するとは、私の息子の「%」どころの話ではない。なので、その子は間違いなく、東大ぐらい楽勝で受かるだろう、と思った。
こうして、単なる私のヨタ話だと思っていた「日経新聞読み聞かせ教育法」の効果が、元部下の再現テストによって立証された?
しかし、よく考えれば、昔から有名なことわざにもあるではないか。「門前の小僧、習わぬ経を読む」と。

門前の小僧も、うちの息子も・・・
だから、最初は意味など分からずとも、繰り返し聞いてるだけでいずれ理解できるようになる。そもそも「言葉」を覚えるというのは、最初は意味など分からない単なる「音」を、意味あるものに置き換えていくプロセスなのだから。
皆さんも、ぜひ、お試しを!(笑)