アタマは「下げるもの」ではなく「使うもの」である

総帥の独り言

先日、かつての部下が久しぶりに職場を訪ねてきた。

今の私の仕事と関わりがある部署に異動になったので、着任の挨拶に来たのだ。

もともとよく知った仲なのに、妙にペコペコするので、何となく違和感を覚える。

 

話を聞いていると、どうやら私が今いる会社と新たに取引をしたいようだ。

そのため私に助力して欲しい、そういう趣旨のようだ。

 

ひと通り話を聞き終えてから、彼にこう伝えた。

 

取引したいのなら、ペコペコ頭を下げるのではなく、アタマを使え。

こちらの社内の、誰を、どういう順番で、どんな話法で、どう攻略するか、脳みそから血が滲むぐらいアタマを使って考え抜け。

それでもどうやってもダメだったら、最後の最後に土下座でもなんでもして頭を下げろ。

その時はオレも一緒に土下座して頼んでやる。

それまでは安易に頭を下げるのではなく、使え!

と。

何も考えずに無為無策。カラッポの頭をただ下げるだけ。

アタマの「使い方」を間違えている。

 

頼みごとをする場合に限らないが、頭を下げるのは簡単だ。

屈すればいいだけ。

そうしないためには、とことんアタマを使って闘うしかない。

そして最後は逆に、向こうに頭を下げさせるぐらいまで、戦略を練ってそれを実行するのだ。

現代のビジネスは、「武力戦争」ではなく、「頭脳戦争」なんだから。

しかし、頭を下げないと、尊大、傲慢、不遜、などと非難される。

だから、自分が間違ったとき、非のあるときには、当然、素直に頭を下げて謝ればよい。

つまり「安易に頭を下げるな」とは、「安易に人に頼るな。屈するな」ということだ。

 

まずは自分で出来ることを、全て考え抜き、やり尽くす。

その努力もせずに、易きに流れるな、ということ。

 

自戒を込めて。

 

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