関西人は自由に生きてる??

総帥の独り言

関西のとある堤防で釣りをしていたとき、隣にいた地元のオジイさん2人組の会話が耳に入ってきた。

先月、夜釣りの帰りにこの堤防から海に落ちて、持っていたクーラーボックスに掴まって、何とか1時間かけて岸にたどり着いた、という話を笑いながらしている。普通なら死んでいたかもしれないような一大事を、本人も、聞いてる方も、笑いながら話しているのだ・・・

そら、あんた、えらいナンギやったなぁ、ハハハ」と 。横で聞いていた私は目が点になるほど驚いているのに!

「この高い堤防から落ちたオジイさんが、1時間もクーラーにしがみついて無事に岸まで辿り着いた?? ほぼ奇跡だろ!?」と。そして、大きな災いも笑いで昇華してしまう関西人のスゴさを垣間見た。

また、関西人と話していると、こちらの持ち物や着ている服を見て、

「それナンボしたん?」(訳注:それはおいくらで買われたのでしょうか?)

と普通にきいてくることがある。 関東人にはとても恐ろしくてきけないようなことを、いとも簡単に直球でブッ込んでくる。

そして答えの金額が自分の想定を下回ると、「安すっ!!」という言葉が発せられる。しかし、これは決してバカにしているのではなく、心底、感心しているのであって、関西人にとっては最高の褒め言葉なのである。

「そんないいモノをそんなに安く買うなんて、あなたは何てスゴいんだ」の略の「安すっ!」である。

いいものを高く買っても関西人は全く評価しない。「そらそやわな」で終わりである。いいモノを、値切り交渉のプロセスも経て、どれだけ安く手に入れるか、という究極のコスパ重視が染みついている。

図で表すと、横軸にモノやサービスの「価値」、縦軸にその「対価」をとると、基本的には右肩上がりの直線になる。その直線からどれだけ下にできるか、つまり「価値」に対して「対価」をいかに下げるか、がその人の力量と捉えられる。企業の購買担当などであればごく当たり前の発想だが、それを皆が日常的に無意識の領域で行なっているのが関西人である。

辛いことでも笑い飛ばし、人様の目など気にせず、自分の関心の向くまま、コスパ重視で自由に生きている。それが関西人なのだ。見ていて羨ましくもある。

生粋の関西人のワシが言うのもナンやけど・・・

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