船舶1級免許を取ってみた①実技編

釣り

釣りを始めて約3年。この間ずっと釣れなくても陸っぱり一筋。何度か船釣りにも誘われたが、まだ踏み切れていない。理由は、船酔いが酷いので乗合船で船釣りに行く勇気がないため・・・

そこで思いついたのが、「クルマと同じで自分で運転すれば酔わないんじゃないか!?」「それならボート免許を取って自分で船を運転して沖に行って、酔ったら好きな時に戻ればいいではないか!」

ということでアウトドアレジャーのシーズンオフである真冬の暇つぶしを兼ねて、2月の寒中に船舶1級免許の取得に出かけた。かつては「船舶1級免許」と言えばかなりハードルが高く、取得が難しい資格、というイメージだった。「遊びでやるなら4級で十分!」という感じで、1級など本職の人だけが取るものだという感覚だった。しかし今は等級が1級と2級の2段階に集約され、1級の取得も驚くほど簡単であった。

但し、当初の思惑であった「自分で運転すれば酔わないのではないか?」という目論見は見事に外れた。小型のモーターボートの方が揺れが大きく、酔い止めを飲まないと、講習中の乗船ですら目まいに襲われてしまった・・・

~操縦の実技を習うのは実質3時間のみ!~

私が受講したスクールでは、日程は4日間だけで終了。土日だけで受講できるコースもあり、私は2週連続の土日、土日で2週間で取得できた。但し、その4日間は文字通り朝から晩までギッシリのスケジュールになる。

講習初日の集合時間は何と朝の7時!そして午前中に実技講習&検定まで半日で終了する。信じられないことだが、実際の操縦技術を習うのは、この半日間の4~5時間ほどだけである。しかもそのうち最初の1時間ほどは岸に係留された船の中で安全確認や機器の説明を習うだけで実際に操縦するわけではない。

そして最後の30分程は実技の検定試験(クルマの教習所の「見極め」に相当)なので、実際に船の操縦を習うのは真ん中の3時間ほどだけだ。しかもその半分以上は先生が見本を示して操縦しているので、自分自身でハンドルを握っているのは更に半分以下の1時間ほどだ。たったそれだけで「船長」として(船舶免許を取得したら「船長」になれる!)大海原をどこまでも運転して行っていいのだ。クルマの場合だと考えられないことだが、船の場合はそれだけでもまがいなりにも動かすことはできるようになる。離岸と接岸さえ出来れば、あとはほとんど障害物のない海の上なので、ハンドルを回してスロットルレバーさえ操作できれば何とかなってしまう。

実技の検定では、先程まで先生だった人達がその時には試験官となり、いくつかの項目を実践できるか採点される。といっても採点表のようなものを持っているわけでもなく、「まぁ、できたことにしましょう」ぐらいで終了した。テスト項目としては、直進、方向転換、スラローム、接岸、人命救助など。

【直進】波や風の影響を受けながらも目標に向かって真っすぐに進めるか

【方向転換】直進中に別の目標に向かって大きく右折や左折ができるか

【スラローム】20~30m間隔で直線状に浮いている5つぐらいのブイの間をぶつからずにジグザグに走行できるか

【接岸】岸に激しく衝突せずにできるだけ船を寄せられるか

【人命救助】人間に見立てたブイにゆっくり接近し、船上に引き上げることができるか

あとは1日目の午後から最終日の4日目までずっと座学だけで、船の仕組みや海図の書き方、天気図の見方などを延々と頭に詰め込んでいく。

そして講習2日目の最後に最初の筆記試験がある。ここで65%以上、50問中33問取れればまずは2級合格!となる。(3日以内に不合格の連絡がなければ合格ということらしく、合格の通知というのは特に来ない)

分厚いテキストを実質1日ほどで覚えてすぐ試験、というのはなかなか大変だが、スクールが作成した問題集というのがあって、その中から試験に出そうなところを中心に講師が説明してくれる。そして実際の試験もほぼそれと同じものが出るので、皆さんスイスイ解いて試験時間終了前に早々に退出していた。

『船舶1級免許を取ってみた②海図・天気図編』に続く

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