セレブの街?「広尾」の駅前で「銭湯」に行ってきた

総帥の独り言

東京の「広尾」と言えばどんなイメージを持つか?

「広尾ガーデンヒルズ」に代表される高級住宅街で、芸能人を含めセレブな方々がたくさん住んでいるハイソな街。多分、そんな高級イメージであろう「広尾」の駅から、わずか30秒のところに「銭湯」がある。

日比谷線「広尾駅」

駅から30秒の所に♨が

それも、オシャレな「スパ」や「スーパー銭湯」などではなく、昔ながらの「本物の」銭湯が、地元のセレブや聖心女子大学の学生が闊歩する駅前商店街の中にあるのだ。

駅前商店街「Hiroo散歩ど~り」

オシャレな店の横に・・・

10数年前に広尾に住み始めた頃、初めてその銭湯を見たときは驚いた。「この高級住宅街で、銭湯のニーズなんてあるんだろうか?」「どうせすぐ潰れるんだろ?」

と思って早や十年以上が経ったが、潰れる気配はない。それどころか、数年前にはリニューアルまでしたようだ。

よそ者の私は全く知らなかったが、実は、地元で百年以上続く歴史ある老舗銭湯だそうだ。

マンションの1階に銭湯が

そういう意味で、以前に書いた「ブルーノート東京」とともに、「近所で行ってない有名スポット?」の一つであるので、ついに突撃してきた。

「ブルーノート東京」と「ブルーノート・プレイス」に初めて行ってみた
単身赴任で東京の恵比寿・広尾エリアに住んで十数年になるが、週末は千葉の自宅に戻り、釣り、ゴルフ、キャンプに忙しい。だから、週末に広尾で過ごすことはほとんどないので、長年住んでいても周辺の有名スポットには行ったことがない所も多い。その中の一つ...

休日の午後4時ごろで、まだ陽も高い。こんな早い時間は、どうせ誰もいないだろう、そもそも、夜でも人が入るところをほとんど見たことないんだから、と思いながら、暖簾をくぐった。

いよいよ暖簾の中に・・

クツを下駄箱に入れ、大きな木の鍵を抜いて、入口の扉を開けてついに中に入る。すると、正面の中央に番台がある。男湯と女湯の入口のちょうど真ん中が番台で仕切られた、テレビなどでよく見る昔ながらの銭湯の正統派レイアウト?だ。

まずは下駄箱へ

そこでおばさんに550円を払い、下駄箱の鍵と交換にロッカーの鍵をもらう。男湯の脱衣所に入ると、こじんまりしたスペースに、なんと既に10人以上の先客がいるではないか!それも老人だけでなく、運動帰りの学生風の若人まで。

貸し切り状態でのんびりしよう、という思惑が脆くも崩れる・・・

常連さんに教えてもらいながら、指定されたロッカーを見つけ、荷物を入れる。ロッカーは全部で50個ほどで、別に常連さん向けの契約者用ロッカーが20個ほどあり、月額300円!?で借りられるそうだ。

脱衣所のロッカー

服を脱いで風呂場に行くと、なんとアメニティが一切ない。あるのは、黄色いプラスチックの桶と椅子だけで、石けんもシャンプーも、もちろんリンスもない。仕方なく、番台に戻り、120円で石けんを1個買う。

番台で石鹸を購入

久しぶりに、頭も、顔も、体も、全身を石けんだけで洗った。昔はこれが普通だったはずだが、いつの間にやら、頭はシャンプー、顔は洗顔フォーム、体はボディシャンプーというように、部位ごとにいろいろ使い分けるようになり、人生を複雑にしてしまったんだな、と妙な感慨をもつ。

そういえば、「相対性理論」という複雑な算式を考えた天才科学者アインシュタインも、手洗い用と洗顔用に石鹸が2種類もあると、人生が複雑になり過ぎる、と嘆いていたそうだ。

浴室には22カ所洗い場があり、そこそこの広さだ。ほとんどが固定式シャワーで、ホース式のシャワーは2カ所だけだ。浴槽はすべて泡風呂やジャグジーになっている。

古風な銭湯らしく、壁面いっぱいに絵が描かれている。しかし、定番の?富士山の絵ではなく、スイスかアルプスか、どこかの外国の山の絵で洋風だったのは驚いた。帰りに番台のおばさんに聞くと、職人さんが適当に?書いたので、どこの国の山かは分からないそうだ。

壁の絵は意外にも?洋風

風呂からあがり、脱衣所で髪を乾かそうとドライヤーを手にすると、「3分20円」の表示が・・・ ここでもアメニティと同様、「使う人が使う分だけ負担する」という合理的なシステムが採用されている。でもなぜが、洗面台に綿棒だけは無料で置いてあったので、ありがたく使わせていただいた。

着替えを終え脱衣所を出て、番台のある休憩スペースに戻ると、定番のコーヒー牛乳が冷えているのが目に入った。銭湯といえばこれを飲まねばならない。180円を払い、コーヒー牛乳を飲みながら、置かれている血圧計で通っぽく?血圧を確認して(これは無料!)外に出た。

銭湯といえばコレ!

こうして十数年間、謎に包まれていた「廣尾湯」の全貌を解明した。

入場料550円、石けん120円、コーヒー牛乳180円、で締めて850円で、都心の真ん中でリラックス出来たのだから、なんとも贅沢な時間であり、また一つ、広尾の別の顔を知ることができた。

高級住宅街の広尾だが・・・

一本、路地を入ると・・・

(ここまで読まれた方は、左下の『最後まで読んでやったよ!』ボタンをぜひ(^^))

0
0