ワイン教室で教わった「ブショネ」とは? 会食時のテイスティングはただの儀式ではなかった!?

料理・酒

「ブショネ」という聞きなれない単語。恥ずかしながら、私はこの歳になってワイン教室に通うまで、知らなかった。「Bouchonne(ブショネ)」とはフランス語で「コルク臭」を意味し、英語では「Cork Taint(コルク汚染)」と呼ばれるそうだ。

コルクが原因でブショネが起こる

名前の通り、コルクからワインに不快な物質が移り、ワインからカビ臭がする現象のことだ。「カビ」の他に、「古い段ボール」とか「雑巾」のような臭いとか、表現は色々あるようだ(テイスティングと同じで、ここでも人によって色々な表現をする)。

まさか、高価なワインを開けたら雑巾臭がする??「そんなこと実際にはほとんどないだろう」と高をくくっていると、なんと5%の確率で当たるそうだ! つまり20本ワインを開ければ1本は遭遇するということだ。かなりの「当選確率」ではないか!?

因みに「確率5%」というと、

アイスの「ガリガリ君」で当たり棒が出る確率が4%(1/25)

「黒ひげ危機一発」が飛び出す確率が7.7%

だそうなので、「ガリガリ君と黒ひげの間ぐらい」というビミョーに実感がわきにくい発現率ではある。

ところが、たまたまワインスクールで毎回テイスティングをする中で、「本物のブショネ」に当たったのだ! 4回の講義で毎回4本テイスティングをするので、全部で16本の中の1本だから、ほぼ確率通り!そして実際にブショネワインの「臭い」をかいでみたが(この場合は「香り」でなく、ワイン界でのタブーである「匂い」よりさらに悪い「臭い」でいいだろう)、ホントに段ボールか雑巾のような臭いがした。「これなら嗅覚の鈍いオレでも実際のテイスティングの場面で分かるぞ!」と自信を持った。それぐらい明らかな違いがあるのだ。

テイスティングはただの儀式ではなく毒見だ

普通は、ハズレのワインに当たったらアンラッキーだと思うが、むしろ経験出来てよかった、とその時は思った。講師の先生も「実際にブショネを体験出来て、皆さんはラッキーですね!」と極めて前向きに捉えていた(笑)

例えば、大事な取引先との会食で、自分がホストテイスティングをしたとする。その時、ただ形式的にグラスを回し、一口飲んで、ろくすっぽ味も香りも確かめず、「結構なお手前で」と言ってしまったとしたら(茶道じゃないのでこうは言わないだろうが・・・)、ゲストたちに「雑巾臭のワイン」を飲ませてしまうことになるのだ! 20回会食すれば1回は混ざっているのに・・・

これまでは、「テイスティングなんてロクに味も分からないくせに、形だけカッコつけやがって・・」と思っていたが、実は極めて実務的な「毒見」という重要なミッションを担っていたのだ。これからはマジメにやろう!

また、これもワインスクールで習ったことだが、「ブショネ問題」もあってか、最近はワインの栓も、コルクでなく金属のスクリューキャップが増えているそうだ。我々オジサンの古いイメージでは、「スクリューキャップのワインは安物」という固定観念があるが、このあたりも徐々に変わってきているようだ。

スクリューキャップのワインが増えている

やはりワインの世界は知らないことばかりで、「実に奥深い・・・」(フクヤマ風に)

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