単身赴任で東京の恵比寿・広尾エリアに住んで十数年になるが、週末は千葉の自宅に戻り、釣り、ゴルフ、キャンプに忙しい。だから、週末に広尾で過ごすことはほとんどないので、長年住んでいても周辺の有名スポットには行ったことがない所も多い。その中の一つに「ブルーノート東京」がある。

ブルーノート東京の外観
毎朝、通勤時に前を通っているにもかかわらず、未だに行ったことがなかった。「ブルーノート東京」が日本でのジャズクラブのメッカ?であり、ジャズ愛好家が全国から集まる場所である、ということぐらいは昔から知っていた。しかし、私自身はそもそもジャズを聴くことはほぼないし、興味もないので、近所にあっても行ってみようという気にならなかった。が、ついに思い切って行ってみた。

昼のブルーノート東京
「ブルーノート東京」に初めて行ってみた
「ブルーノート東京」はバブル全盛期の1988年11月に南青山の骨董通り沿いに誕生し、10年後の98年にそこからほど近い現在の根津美術館のそばに移転したそうだ。外から見ると小さなビルで(下の写真の真ん中の黒っぽいビル)、とてもたくさんの人を収容できるスペースがあるようには見えない。

小さなビルの地下に巨大な音楽空間が隠れている
入口の扉を開け中に入ると、ジャズの有名人?たちの写真が並べられた小さな空間の真ん中に地下へ続く階段があり、それを降りると広めの待合スペースがある。

入口を入るとすぐ地下への階段が

地下1階の受付&待合室
そこでコートや荷物を預けてさらに地下2階へと続く階段を降りると、そこにはステージと約280席の客席を要する巨大な空間が現れた。地上のこじんまりしたビルからは想像できないような巨大空間が地下深くに広がっているのだ。

さらに地下へと続く階段が・・
テーブル席やボックス席、そしてスタンド席など、色々な種類の座席がステージを囲むように配置されている。私は一人だったので、後方の壁際にあるスタンド席を予約した。

地下2階に巨大な空間が広がる
週末の夕方だったのでほぼ満席状態。私は、演奏しているアーティストが誰なのか、何の曲かもよくわからないまま1時間ほどのステージを楽しんだ。やはり生演奏の音は迫力があり、楽しい。演奏中もずっと酒とチーズを飲み食いしながら聴けるというのもいい。
ただ、隣の席の初老のオヤジのワインや音楽のウンチクが終始気になった。女性と二人なのにテーブル席でなく何故かスタンド席に二人で並んで座っている。どういう関係なのか知らないが、あまり親しくはなさそうで、おばちゃんの方はオヤジにはさして関心がないようだが、オヤジは一生懸命にワイン通をアピールしていて、何がしたいのやら??典型的なイヤなワイン通のパターンで、私がワイン教室で習った通り、グラスの中に鼻を突っ込むぐらい近づけてテイスティングをしていた(笑)

恵比寿ガーデンプレイスにできたブルーノートのカジュアルバージョン?が「ブルーノート・プレイス」
その「ブルーノート東京」の系列で、2022年12月のコロナ禍真っ盛りのころに恵比寿ガーデンプレイスにできたのが「ブルーノート・プレイス(BNP)」だ。
ここは元々は「ビヤステーション恵比寿」があった場所だが、コロナがあってガーデンプレイスにもしばらく行ってなかったら、いつの間にやらこんないいものができていた。

BNPの入口
本家のブルーノートとは違って、空いていれば予約なしでも気軽にはいれる。演奏がない日は食事のみでも楽しめる。規模は本家ほど大きくはないが、2階席もあって1階のステージを上から覗き込みながら見ることができる。
私が行った日は、ちょうど「マルディ・グラ」祭り?をやっていて、入口でビーズのネックレスをくれた。大学の卒業旅行でアメリカ大陸をクルマで横断したときに寄ったニューオリンズでのマルディ・グラのパレードを思い出した。

マルディ・グラの象徴であるビーズ
ちなみに、ニューオリンズはジャズ発祥の地だそうで、「マルディ・グラ」はそこの謝肉祭だ。祭りの期間中はパレードの山車から沿道の人々にビーズが投げられ、それをどれだけたくさん貰えるか、皆、必死で取り合うのだ。私も30数年前、訳も分からないまま朝までビーズを拾いながら祭りを楽しんだ。

マルディ・グラのパレード
テーブルチャージ1100円に加えて、演奏のある日はミュージックチャージ(登場する演者によって1千円~5千円程度)を払えば、予約なしでも入れる。あとはどれだけ飲み食いするかだが、私が行ったときは、酒を2杯とツマミで全部で5千円程度で済んだので、本家に比べると料金もかなりお手頃だ。

酒とツマミと音楽と
演奏は必ずしも毎日やっているわけではないようなので、音楽が聴きたければチェックしてから行くべし。

生演奏はやはり迫力が違う
【番外編】ブルーノート系ではないが、面白い乃木坂の「All of Me Club」
また別の日に、うつわソムリエとして、東京ミッドタウンの「THE COVER JAPAN」で器を物色した帰り道、乃木坂で面白い店を偶然発見した。旧ジャニーズ事務所と東京ミッドタウンのちょうど中間あたり、乃木坂駅近辺にある小さなジャズバーだ。ビルの2階にヒッソリとある「All of Me Club」という名の店だ。
ブルーノート系列ではないが、界隈では老舗の部類に入る店のようで、ほぼ常連客ばかり。日本語が上手な白人もチラホラ。客席は20席ほどとこじんまりしており、ジャズに限定せず色んなジャンルの音楽が日替わりで演奏されているようだ。

ここでも酒と料理と音楽と
ここではBNPよりもさらに気軽に生の音楽に触れられる。夕食を兼ねて早めに行って、パスタやハンバーグなどを食べながらというのもいいし、二次会でフラッと立ち寄ってキープしているボトルで飲むこともできる。
音楽をカジュアルに楽しむという新たな世界がまた一つ増えた
もともと私はジャズには全く興味がなかったので、生の音楽に触れる機会といえば、浜省アニキのコンサートか、ごくたまに行くクラシックの演奏会ぐらいで、日常、気軽に触れられるものではない、と思い込んでいた。
それが、こんな家の近くにいくつもあって、しかも思いついたらいつでも気軽に行けるとは!
生演奏の迫力にはやはり惹かれるものがあり、それをクラシックのように肩ひじ張らず、酒を飲んで食事をしながら味わえるのはとても楽しいということを知った。
また一つ、新たな世界が拡がった。