若者は「FIRE」を目指し、老人は「再雇用」を目指す

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ブロガーの端くれ?として、たまに「note」などのブログサイトを眺めていると、依然として「FIRE」をテーマとして根強い盛り上がりがある。

ご存知の通り「FIRE」とは、少し前に流行った「Financial Independence, Retire Early」のことで、直訳すると「経済的自立と早期退職」となるが、この頭文字を略して「FIRE(ファイヤー)」と呼ぶ。

要は、「若くして金を貯めて、その運用益だけで食えるようになって、仕事をせずに一生暮らしていこう!」という人生プラン?のことだ。特に20代、30代の若い人たちが、「サッサと大金を手にして、トットと会社なんてやめてやる!」という世界を夢見て日々頑張っている。かつての私のように・・・

かつて同じ志?を持ち、そして夢破れたアラ還のサラリーマンおやじとして、その気持ちはとてもよく分かる。

一方で、自分も「役職定年」や「本当の定年」を身近に感じる歳になってきて、実際に定年を迎えた諸先輩や元上司たちの姿を見ていると、とても不思議に思う。

無事に定年を迎えて、やっと長年夢見てきた自由な生活が手に入るというのに、「まだまだ元気だから、これからもどこかで働きたい」という人がいかに多いことか!

老後資金が不安で、やむなく再雇用や定年延長を求めるようなケースだけでなく、大企業の部長や役員までやって、老後資金など「2,000万円問題」どころか「億」に近いほど持っているはずの人たちまで、定年後も社外取締役や顧問などのクチを奪い合い、小遣い稼ぎのために70歳を過ぎても働き口を求め続けている。

家にいてもすることがないし、家族から邪魔者扱いされるだけだから。あるいは社会に帰属していることを確認するために。現役世代にはお荷物扱いされているのもお構いなしに。

ペーパーレス会議が主流の昨今では、パソコンで資料を開くことすらままならない社外取締役殿たちは、その都度、システムに詳しい若者の手助けがなければ会議にも参加できない。「要介護老人」と若人からは陰口を叩かれているとも知らずに(たとえ知っていても、どこ吹く風だろうが・・・)。定年後まで他人に雇われる「社畜人生」を続けて「人生の残業」までしている。

「人生百年時代」「生涯現役」もいいが、せめて老害を撒き散らさず、少しは「FIRE」を達成した若者たちを見習って、キレイに引退してはどうか。

バリバリ働ける若いころには「働きたくない」と言い、体もスキルも使い物にならない歳になってからは「まだまだ働きたい」と言う。

どこまでいっても人間とは、「ないものねだり」をする生き物なのか?

自戒を込めて・・・

 

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