「4度目の正直」でやっとキングフィールズゴルフクラブに行ってきた。これまで3度予約したことがあるのだが、その度に、コロナ、雪、雨でキャンセルに・・・ 「これは相当オレとは相性が悪いコースかもしれない」とずっと思っていて、今回も「当日に地震でも起きてまた流れんるんじゃないか」と危惧したが、ようやく実現した。
このコースは、元々、福島の「藤越」というスーパーのオーナーが作ったコースだそうだ。経営不振の折に、現在のオーナーがここのコースを見て「どうしても手に入れたい」と買収したらしく、2001年から磯子カントリーの系列になっている。その際、あと数日で開花する桜の木を邪魔だといって容赦なく切ってしまったことが、古参のキャディーさんの間では今でも語り草になっているようだ。
2006年から6年連続で「日立3ツアーズ」の会場となり、2011年には「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」も開催された本格コースだ。「日立3ツアーズ」に出場予定だった有村智恵ちゃんが、練習ラウンド中に名物の深いラフで手首を痛めて本番に出られなくなり、それからラフを短くした、という逸話もあるそうだ。
週刊ダイヤモンドの2024年ゴルフ場ランキングで、「接待に適したゴルフ場ランキング」の2位に選ばれるなど、業界での評判も高いようだ。
市原ICから下道で15分程度と、信号があまりないので時間距離は短い。県道13号沿いにある看板で左折したところからクラブハウスまでのアプローチ道がほぼ専用道路のようで、綺麗な並木道が続いてゴチャゴチャ感が全くなく、市原のゴルフ場の中では最高ランクのアプローチ道ではないかと思う。「成田ゴルフ倶楽部」などもとても綺麗なアプローチ道だが、ゴルフ場へ向かう道の雰囲気というのも重要な要素だ。いくらゴルフ場の敷地内は立派でも、その手前までの雰囲気が貧層では気分が上がらない。その点、ここは周りの環境も含めて高級感がある数少ないコースだと思う。
クラブハウスも特徴のある立派な造りで、そこで出迎えてくれるポーターさんも礼儀正しく、バッグを下ろす際に車の中のゴミまで拾ってくれた。エントランスを入ると正面のガラス越しに和風の中庭が見える造りで、久能CCに似ているが、こちらの方が全般に広々としている。受付、ショップ、ロッカーとも落ち着いた雰囲気で高級感を醸し出している。
ロッカーはちゃんと木製だが(←重要ポイント)中は至って普通で必要十分な仕様。ビジター用のロッカーもかなりの数があるが、会員専用のロッカールームは更に広そうだ。
クラブハウスからほど近い練習場は、ユニークな形の玉貸し機が目印。ドライビングレンジはマット打ちではあるが、250ヤードと十分な長さ。バンカーとアプローチ練習場も隣接しており、特にアプローチ練習場は広大で充実している。
コースはほぼ平らでアップダウンが少なく、ドッグレッグも多くない。だからプロにはやや易し過ぎるようで、その分、バンカーの数を増やして難易度を上げているそうだ。特にグリーン周りには多くのバンカーがひしめいている。グリーンは10フィートと表示されていたが、体感ではそこまで速くない印象。隣のホールとの間隔も広く、OBになりにくい。
近年の台風の被害でバンカーの排水がうまくいかなくなり、あちこちで配置を変更していて、まだ修理地扱いになっているバンカーが多々あった。バンカーの砂も入れ替えて「カレドニアン・ゴルフクラブ」風の真っ白な綺麗な砂になっており、光を良く反射するので遠目からもその存在感が増す。
コース内は全般に和風テイストで小さな滝や川があちこちにあり、植栽もよく手入れされている。春は大量のツツジが随所に咲いていて鮮やか。中でも名物の17番ホールは、千葉県の形をした池を中心に配した景観が素晴らしいホール。今はもうないが、石川遼くんが池越えのショートカットで飛ばした到達地点のマークがしばらく残っていたそうだ。
ランチは中華中心で、特にシュウマイがお勧めのようだが、私はそれほど感動はなかった。お土産用にもシュウマイを売っていたからやはり名物ではあるのだろう。
風呂場も各席の間隔が十分に広く、グレーの大理石で仕切られていて高級感たっぷり。湯船は半円形で周りをガラスで囲み日本庭園が眺められる、というコンセプト。但し、実際は湯気で曇ってしまい、せっかくの庭園はほとんど見えなかったが。更にシャワーブースが10個ほどズラッと並んだ奥にサウナ、水風呂もあり、風呂場の広さはこれまでで一番かもしれない。ただ、洗顔フォームがなかったのが唯一残念。
高級感に浸れる設備とプレーで一日過ごせるので、当然、値段もそれなりにしてトータル3.8万円とこちらもトップクラス。財布には厳しいが、普段は「100叩きの刑」が多い我々もこの日は全員90台で回るなど、スコアには易しいコースだったので、みんな満足して帰路についた。