「バキッ!」という音が聞こえた(・・ような気がした?)。
冬のゴルフ場でアプローチショットがグリーンに届かず、手前のグラスバンカーに入った。そのボールを追って芝生の斜面を下っていた時だ。
夜露に濡れた芝生で滑って、右足首が芝に引っ掛かったまま左足だけ真っ直ぐ滑り落ち、右ひざが内側に90度に曲がった状態で尻もちをついた。
かなりの音と足の曲がり角度から、相当な怪我をしたんだろうと覚悟した。しかし不思議なことに、その時はさして痛みもなく、その後もプレーを続けられた。
だが帰宅後、患部が少しづつ痛みだし、翌朝には歩くのもツラくなる。すぐ整形外科に行ってMRIを撮ったが、何とか靭帯は切れておらず、「損傷」レベルとの診断。サポーターで補助しながら、整体院に週1~2回のペースで通い続け、1年ほどでようやく痛みは消えた。右ひざの内側の骨は少し出っ張ったままだが。

MRIですぐ検査を
ちょうど足の治療が終わった頃、たまたま保険会社の担当者が新しい保険の提案に来て、現状で加入している保険の見直しをしていた。
すると、私が加入しているゴルフ保険で通院治療費が出ることが分かった。ゴルフのプレー中にケガをして、その治療のために通院したら1日につき5,000円が支払われるという。
ゴルフ場に事故証明をもらって、治療費の領収書の写しを送れば、60日分までは医者の診断書もいらないそうだ。ゴルフ場の事故証明を取るのがやや面倒だったが、全般に極めてスムーズに手続きが進み、一ヶ月もせずに保険金が振り込まれた。
それまでゴルフ保険とは、万一、ホールインワンが出た時のためのもので、私など一生使えることなどないものと思い込んでいた。
せいぜい、クラブなどの盗難に遭った時にも補填してくれるぐらいの認識はあったが、恥ずかしながら、ケガがゴルフ保険の対象になるとは全く思い至らなかった。
私が加入しているゴルフ保険は、怪我をしてから180日間までが対象だったので、1年ほど治療に要した私の場合は、全部ではなく半分だけ保障されたが、それでも15万円弱の保険金が出た。
これだけで今まで何年も払ってきたゴルフ保険の保険料を一気に回収できた。ホールインワンではなくケガによって、だけど・・・
でも、保険に入っててよかった~!
本当にホールインワンにも遭遇!
さらに後に、私自身ではないが、同伴プレーヤーがホールインワンを達成する瞬間に出くわした。
当然、ゴルフ保険でパーティーや記念品など、盛大に祝うものと思っていたら、なんと、彼はゴルフ保険に入っていなかったのだ。
なので、キャディさんへのお礼もそこそこにゴルフ場を後にし、記念になるようなことは何もできなかった。一生に一度あるかないかのせっかくのイベントなのに・・・

ちなみに、彼は保険会社の人間である。一般的に、保険会社の社員は、会社からの有形無形の様々な圧力?により、ありとあらゆる種類の自社の保険に入っていることが多い。そして、毎月もらう給料から数万円の保険料を天引されている、というのが普通ではないか。これも税金の一種だと諦めながら・・・
実はゴルフ保険はコスパのいい商品?
そんな保険会社の社員である彼が、ゴルフ保険には入っていなかった理由は、実は、ゴルフ保険は保険会社にとってうま味の少ない商品らしく、会社からのプレッシャーが少なかったらしい。だから、会社想い?の彼は会社のためにならないゴルフ保険には入っていなかったようだ。
逆に言えば、我々、一般消費者からすると、ゴルフ保険は実はコスパがいい商品ということになる。私の場合もそうだが、歳をとるとゴルフ中に怪我をする可能性は高くなる。しかし、ゴルフ保険の保険料は年齢にかかわらず同じだ。そういう意味でも、高齢者ほどゴルフ保険に入ってた方がいいということかもしれない。